心温まるアンデス、ペルーへの旅

河原 功

9月中旬から下旬にかけてペルーに行って来た。

今回の旅のテーマは、アンデス山中のエレーナの祖母の故郷を訪ねる旅、いわゆる観光地でない普段着のペルーの人々の生活を知り、そして体験する旅であった。

まず、リマから海岸線を北にバスで約4時間かけて地方都市ワルメイ(Huarmay)まで行き、そこで1泊。毎朝早朝、ワルメイからアンデス山中に入るバスが出る。このバスは山に住む人達の物資輸送の貴重な手段で、乗客は皆、町で買い集めた生活物資を詰込んだ大きな袋を持ってバスに乗り込んでくる。また、バスの屋根にまで物資を積込んでいる。積載重量制限をはるかにオーバーしていること間違いない。バスはアンデスの山奥を目指して渓谷沿いの瓦礫の道をヒーヒー唸り声を上げながら登って行く。途中何度もエンジンがオーバーヒート気味になり休憩したり、またパンク修理も1度した。この山道を登ること約4時間で目的地サンミゲル(SanMiguel)村に到着した。

この地方は電気も水道もガスもない。ペルーは、都市部は勿論電気・水道・ガスなどのインフラは一応整っているが、少し山奥に入るとまだインフラの整っていない所が多い。炊事は薪でしており、また敷地内を流れる幅80cm程の綺麗な小川で炊事の支度をしたり洗濯をしたり、勿論、飲み水もこの小川の水を沸騰して冷ましたものを飲んでいる、まさしくこの小川はこの地の生命線と言える。今は亡きエレーナの祖父が若いころ、山の湧き水をこの地に引き込むための水路を造ったらしい。

今回は祖母の家に2泊させてもらったが、アウトドアーライフの極致のような生活を体験した。朝はエレーナの叔父の牧場に行って、乳牛から乳を搾り、それで朝食。

昼は、教えて貰いながら手作りでパンを練って、庭のオルノで焼いた。

アンデス特有の動物クイ(天竺ねずみ)も食べた。クイは庭の隅で飼育していて、お祭りやお客さんが来たときに料理してくれるらしい。

夜は、ランプの光のもと、エレーナの祖母からこの地方に伝わる昔話を聞いた。夜トイレに起きた時の満天の空に輝く星の素晴らしかったこと。

それに、印象に残ったことは、朝、山道を散歩している時にすれ違う小学生や中学生が必ずブエノスディーアス!(おはようございます)と挨拶してくれること。少し昔の日本の田舎の情景を思い出した。

今回は、自然と共に生活する清々しさと厳しさ、そして村人の思いやりや親切さを体験できた貴重な旅であった。

(写真説明)

ワルメイからバスでアンデス山中に入る途中、バスのパンク修理の間、近くを散歩した。今回の旅は、私の家族3人とエレーナの妹(フアーナ)と姪(二コール)の5人での旅行である。後ろに見えるバスが、我々の乗ったバスで、物資を満載している。手前は、竹に似た植物を潰して編んで、エステーラ(ござの一種)を作っているところ。

エレーナの祖母(アグスティーナ)との久々の再会。

手作りのパンを庭のオルノで焼いているところ。パン生地を練るのが力仕事であった。

アンデス地方の農家で飼われている家畜クイ、モルモットに似ている。唐揚げやオーブンでの丸焼きにして食べると大変美味である。

登って来た時のバスがとうとう故障したらしく、帰る予定の日にバスが来なかったので、村の人に頼んで小型トラックでワルメイまで乗せてもらった。私とフアーナが後ろの荷台に乗り、エレーナと子供たちは前の座席に乗せて貰った。山間の農地で収穫した農作物(トーモロコシ、フリホーレス、バナナ等)を満載している。